シリコーン型。分割

15号、ミニ2のシリコーン型を分割しました。言葉で説明してもわかりにくいと思いますがざっと説明しますと。
まず黄色いカッターナイフでギザギザさせながらパーティングラインにそって原型本体ギリギリを切ってきます。パーティングラインはけっこう重要なんですが、原型を見ながら目見当で進めます。その後、写真のカッターの下に置いている黒くて細い、超細・彫刻刀を使って、シリコーンのパーティングラインをつつきながらカットしていきます。その際シリコーンを広げながら作業する必要があるため、写真左にあるのが、スナップリングプライヤーというもので、これは通常のペンチとは逆に、握ると先端が開く動きをします。このスナップリングプライヤーで、シリコーンの切り目を広げてキープしながら、超細・彫刻刀で作業していきます。
今回もやはり原型を折ってしまいました。足とシッポ。でも実際の樹脂の場合は非常に硬いため、抜き出す時に折れたりはしません。
分割のくだり。やはり言葉ではわかりにくいですね。すいません。
そして、この後はシリコーン型をよく見て、空気抜きのルートを彫刻刀で彫ったり、四角い溝は湯だまりなので、そのスペースを大きくして、湯口のルートも大きくして、気泡が溜まりそうなところは空気抜きルートに誘導したり、シリコーン型を樹脂注型に最適な構造になるよう作業します。それができたら樹脂注型のテストです。
ホントはもっと途中プロセスの写真もあると作業がわかりやすいと思うのですが、この分割の作業は、非常に重要なところかつ両手を使って真剣に集中した作業のため、正直撮影する余裕がありません。

テキストだけになってしまっても、また、かなり専門的、技術的な内容になってしまっても、私がここで説明をするのは、もしかしたら誰かの作業のヒントになるかもしれない、と考えているからです。
私自身、この制作プロセスに至るまで、めちゃくちゃたくさん検索や書籍や、人へのヒアリングなどを経てここまで来ました。その中では、「あーー、そうやるんだーー!!」と、とても苦労していた部分についてネット上で発見をして、ものすごく助かったことが何度もあります。
そんな経験から、似たような手法で造形をしている人がもし見た時に、何かのヒントになればと思い、私がネットから得た大収穫の還元の気持ちがあって、専門的、技術的な内容でも説明しています。
私にとっての大発見は、この、シリコーンをカッターでギザギザに分割する方法を発見したことです。ある造形作家さんの書籍と、ネット上の動画で、この方法を知りました。なので、もし同じことで試行錯誤している人がいれば、このシリコーンの切り口を見ただけで、「あーー」と思うと思います。私がそうだったので。
ともあれ、自分もまだまだ試行錯誤の最中ですが。会ったことも、話したこともない造形仲間とともに試行錯誤を続けているような感じです。