高校でのサッカーに感謝

今日、用事があって母校の高校へ行きました。実は、卒業以来ではないけど、しかし20年ぶりくらいに行ったら建物も変わっていてずいぶん変化もしていました。私は中学、高校とサッカーに全エネルギーを注いでいました。高校もサッカーで選びました。まだまだJリーグのできる前で、サッカー番組も週に一回、45分ハーフで放送し、2週間で1試合になる「三菱ダイヤモンドサッカー」という番組しかなく、当然ネットもないので情報もほとんどないような冬の時代でしたが、もしかしたらそのマイナー感も含めて好きだったのかもしれません。しかし高校はかなりの強豪校だったため、結局レギュラーにはなれずほとんど試合にも出ませんでした。それでもサッカーが大好きでした。
しかし進路を考えるとき、この強豪校で自分よりもはるかにできるヤツらがいて、しかしそれでも全国にはもっともっとすごいヤツらがいる、ということを感じれたことが非常に大きな収穫でした。それは高校でサッカーを断念して別の道を選ぶことができたことです。もしも、もう少し中堅校で、多少試合に出たりしていたら、まず確実にサッカーをするための進学をしていたと思います。
サッカーがだめなら、後に残るのは、やってつらくないのは美術だけでした。要は「体育と図工だけ」系の子どもだったんですね。
あれだけ好きだったサッカーを捨てることができたのは、この高校へいったおかげです。そして高校3年の夏から美大を受験する勉強を始めました。ちょっとスタートが遅いですね。その結果、2浪して多摩美のグラフィックデザイン科に入学することになります。また美大志望の変わったサッカー部員だった私に、高校卒業の間際に当時のサッカー部の監督に依頼され、チームのエンブレムをデザインしました。まだパソコンもない時代なので、ポスターカラーで原画を描いて仕上げました。そのエンブレムは30年以上経った今も、この強豪校のエンブレムとして後輩たちのユニホームの胸にプリントされています。
今日、久にぶりに高校に行き、あの頃の恐ろしいほど全エネルギーをサッカーに注いでいた事を思いだし、今の自分を思うと。たぶん仕事と、そして今の造形活動と、かなり近いレベルでエネルギーを注いでいるようにも思えます。あの頃の自分にさほど負けてもいないように思うので、悪くないかなと感じます。
好きなものを見つけられた事に、誰に対してかわからないけど、感謝しています。