神経いきわたってきました。

写真は、原型を入れてシリコーン型を作るための容器です。もちろん自分で作ります。原型はそのたびに違う形、違う大きさ、違うアングルでシリコーン型を作る必要があるため、その原型に合わせた容器をプラ板で作ります。そして実際に使用するときはこの中に原型を入れて(写真下)シリコーンを流しこむのですが、万が一、容器の接合にちょっとでも隙間があると、そこからシリコーンが漏れてしまい大惨事になります。この大惨事、実は私は何度もやってます。当初はプラ板ではなくブロックで容器を作っていました。それはシリコーン型を「もともと2分割」の手法の場合の時ですが、今は新しい「後から分割」になり、その時からプラ板で容器を作っています。その理由は「後から分割」をする際に、原型ギリギリのところでシリコーンを切っていくことを、目視に頼って作業するため、シリコーン型の側面がきれいで原型がよく見える必要があるためです。
話が戻りますが、シリコーンはほんのちょっとした隙間でも確実に漏れてしまうので、容器は完全に接着しなければなりません。そこで写真のように容器を接着したら、漏れる個所がないかを水を入れて確認しているところです。これで少し時間をおいておくと、ある接合部からじんわり水玉が大きくなってきているところを発見します。するとまたその個所をふさいで、ということを完全になるまで続けます。もちろん一発でうまくいく時もあります。
しかし、このように、ほんのちょっとでも隙間があったら大変なことになる、という感覚自体は何度も失敗して大惨事を経験したからこそ気が付くことであり、どんどんこの造形プロセスに対する神経が発達してきています。その事で危険を事前に察知できるようになってきています。おそらくその繰り返しで、作品自体のクオリティも少しづつ上がっていくのかな、と思います。

こちらの写真は、完成した容器に原型を入れたところです。この中にシリコーンを注いで型を作ります。
この容器もけっこう原型ギリギリのサイズにしています。それはシリコーンの節約という面もありますが、先ほどご説明した「後から分割」の際にシリコーンが厚いと目視でのカットが難しくなってしまうため、シリコーンの中の原型がよく見えるように、強度を保てるレベルで、しかしなるべく薄くなるように計算しています。
ともあれ今日シリコーン注入はできたので、明日には硬化し、型作りの1つのハイライト「後から分割」ができるのではないかと思います。