16号オーソドックス

16号の制作にかかります。
今回は、オーソドックスな動きにしたいと考えています。ネコって、特別大きな動き、例えば”伸びをしている”とか”あくびをしている”とか、”顔を洗っている”とか、人気のある動きも多いですが、しかしそんな大きな動きをしていなくても、そもそも目の前に歩いているだけで「あー、ネコだー」とキャッチされてしまいます。たぶんネコ好きな人は同じ感じではないでしょうか。それは、そもそもネコにとっては普通の動きの中に充分魅力的なものがあり、それを我々が感じ取っているのではないかと思っています。
そこで「ただ歩いているネコ」を魅力的に作れるかどうかが、やはりネコの良さに近づけるかどうかではないかと思っています。そこに挑戦したいと思います。
実は今の手法で制作し始めた1つめの作品「どした?」は、同じ考え方で作ったもので、これも単に歩いているだけで、こっちを見ているものです。自分としては、初めてオーブンで硬化する樹脂粘土グレースカルピーで作り、シリコーン型からポリウレタン樹脂を注型して仕上げるという「ああ、この手法は自分に合っているな」と感じ、その後の手法のベースになった記念すべき1号作品です。しかしその後、自分の技術や制作手法、また造形のニュアンスも進化して、再度、このオーソドックスなネコらしさに挑戦したいと考えました。
今後も何度も「歩くネコ」は作りたいと思うようになると思いますが、今現在の自分の感覚と技術でこの16号を作ってみたいと思います。
なお写真はまず大きな動きを探っているところです。歩いているニュアンスをどう出すか、フォルムとしてきれいかどうか、何をリアルな描写にして何を強調するか、など、探っているところです。