「一回性のアート」に憧れたが

私の造形は基本的に納得いくまで作り続ける系というか自分で完全にフォルムをコントロールしたい方なので、何度でも修正したり調整したりします。それが自分の性に合うとも言えるけど、しかし逆にその方法しかできない面もあります。
一方「書」や「水彩画」などは、にじみやボケなど作者が完全にはコントロールしきらない部分があり、「えいや」とペイントして後はいいかんじに出来上がるのを見る、というやり方。それを「一回性のアート」だとすると、それはおおらかであったり余韻があったり、より感覚的な良さがあるように思います。
私は昔からそのような一回性のある水彩画を描いてみたいと、透明水彩の絵の具で今まで何度も何度も挑戦したけど、どーしてもうまくできなかった。そして結局何度でもコントロールできる不透明水彩のガッシュなどで描く方向になってしまいました。
さてこのネコ13号。今回は表面ディテールを原型の段階で最大限に精密な状態に挑戦中です。納得いくまでの調整ですね。作品の表面状態はこの「原型の表面状態」と、あと樹脂注型した後の「本当の最終表面仕上げ」の組み合わせで完成します。
今まではサーフェイサーで梨地塗装にしてザラツキを残して最終仕上げをしていましたが、サーフェイサーでは梨地よりも細密な表面の方が最終仕上げできれいにできることがわかってきたので、今回はそこに挑戦中です。
写真は、原型の表面をナナメからの光でディテールが良くわかる状態にしてサンドペーパーをかけている途中です。
やはりう今のところ一回性の造形はできなさそうです。