原型をひとまず完成としました。今までの中でもっとも表面精度の良いものにしたので、樹脂注型の後が楽しみです。今までは原型がだいたいできると、つい早くシリコーン型や樹脂注型をしたくなってしまい、原型の表面仕上げが少し荒くなっていました。しかし樹脂注型後の最後の仕上げをしていくと、この原型表面が非常に重要なことがわかってきたので今回はあわてず表面仕上げをしました。
さてそこで次はシリコーン型を作るプロセスですが、今回も11号、12号と同様、シリコーン型をはじめから2分割想定で片づつ作る方法ではなく、一気にシリコーンで全体を覆って、後から分割する方法で臨もうと思ってます。そうなると、湯口の位置や作品本体の型の中でのアングルが非常に重要になります。それは耳の先とかシッポの先とか、鼻の突起とか、空気が溜まりやすい箇所を計算してうまく樹脂を注いだ時に空気が逃げられる角度を探し出さなければなりません。さらにその微妙な角度で湯口をほぼ垂直に開けなければならないため、けっこう技術的にはデリケートなところです。そこで、その微妙な本体のアングルを安定させて固定するため、自由変形のできる弾力のある樹脂を使いました。これは「型取くん」というもので、90度のお湯にひたすと柔らかくなり、冷えるあいだに原型に固定すればそのアングルをキープできるという方法です。
今回も、アンダーゲートにすると顔など重要部分に湯口ができてしまうので避け、トップゲートとエアベントという組み合わせでシリコーン型を作ろうと思ってます。なので、この逆立ちした原型の一番高い位置に、垂直に穴を開けて、そこにメインの湯口になる銅線を差し込む予定です。実はどうやって垂直な穴を開けるかも、手回し用のボール盤を初めて使ってみようと思ってます。うまくできるかまだわからないが。
まずはデリケートなアングルを安定させるところまでやってみました。
2019年12月23日