空気を逃がす計算

16号のシリコーン型を作るにあたり、いつもの大問題、空気を逃がすルートを計算しています。
写真は段ボールの平行線のストライプを利用して、どの体勢にするかを検証しています。上部の銅の立方体が樹脂の入り口になり、その下の銅線が湯口になります。しっぽの先からエアベントを作れば、全体の方針はこれでいいかなとは思いますが。耳の先と、かかとからおしりにかけての水平っぽいところは気泡が溜まりそうですね~。
基本的にディテールの細かい足の裏や、小さい気泡でも避けたい頭部は絶対に型の底のほう=気泡が最も溜まりにくい位置にするので、もともと制限があり、その上で空気を逃がし、かつ気泡が多少たまってもレタッチしやすい部分を上部にします。
この体勢が決まると、今度は正確にこの体勢を維持して、垂直に(この場合、おしりの銅線が当たるところ)ドリルで2mmの穴を開けます。これがまたなかなか難しいところです。毎回難しいと言ってるところですね。そして原型に銅線を差し込めれば、まるごと天地をひっくり返して、銅の立方体を重りにして自立させ、そこにプラバンの囲いを作ってシリコーンを流す、という段取りです。

いつもなるべく実制作の事情は考えずに、作りたいフォルムにしようと心がけています。そうでないと空気が抜きやすいカタチなど意識して、どんどん制限された原型になってしまい、それでは本末転倒になってしまうので。まずは好きなネコの体勢を作り、もしその制作が難しいものになってしまった場合は、その時、解決法を考えるようにしています。そうすることで自分の技術や知見も増えるので。とはいえ、ほんのちょっと角度を変えると空気が抜きやすいカタチになるから、とかは、やはりわかっちゃうので、まったく気にせずに作るのも難しいのですが。
ともあれ16号の原型はほぼできたので、ここからは樹脂注型に向けたプロセスになります。

ちなみに銅の重りに新たに(銅線を差し込む)穴を開けようとしたら、2mmのドリルの刃が折れてしまい、急いでホームセンターで硬質のドリル歯を買ってきました。ものを作るのってホントに見えない試行錯誤の連続で、それも楽しいのですが、簡単には進まないな、と思います。

黒いのが折れたドリル歯。右の金色のがちょっと良いドリル歯。高かった。