14号「ネコ立った!」完成

タイトルは「ネコ立った!」にしました。完成してステンレス球の目を入れてみて、眺めて、どんなタイトルにするか考えます。が、今回はややイレギュラーなネコの動きなので、これを見て、そもそもネコに見えない可能性もあるかなと思い、解説的なタイトルにしてみました。しかし「あ、立ち上がった」というアテンションは感じるタイトルにしたつもりです。
さて今回も技術的にはいろいろな経験ができました。原型制作ではあまり問題はなく、さらに新手法のシリコーンの「後から分割」もだいぶ慣れてきました。しかし今回の難題はオーソドックスな問題で、いかに樹脂注型、硬化の際に空気の逃げ道を作るか、でした。耳、4つの足の先端およびかかと、尻尾と、これらの空気をうまく排出するルートを作るかで、1回の注型ごとにシリコーン型の調整をして、結局、下記写真のような形になりました。

真ん中の大きな塊があるのがメインの湯口&液だまりです。ここから樹脂を流し、初めは画面右の尻尾に通気口を作っていました。危険なのは耳の先端とかかとで、そこに気泡が溜まりやすいのですが、それは非常に微妙な角度をキープして空気を逃がせました。しかし問題はこのほぼ水平な背中です。元々の計算で大きな空気は逃げられるのですが、 小さな気泡が硬化までの時間の中で浮き上がることができず、どうしても小さな気泡が残ってしまいました。そこでいたしかたなく第三の通気口、画面左の、首の後ろから気泡を逃がすルートを作りしました。このため結果的にシリコーン型を4分割という今まで最多の分割型になりました。
しかしこれでも完全には逃がしきれず、微細な気泡はレタッチで対応し、さらに何回も注型するうちに真空脱泡のしかたでも、気泡が残りにくい方法がわかってきました。今日はより細かい話しで恐縮ですが、真空脱泡の時に、樹脂が硬化する180秒の中で、いつもは2回、真空、気圧戻し、真空、気圧戻し、をするのですが、これをなんとか3回にすることで、かなり改善することができました。
話しか細かすぎますが、自分の記録のためにも書かせていただきました。
ともあれ、14号「ネコ立った」が完成し、さっそくクリーマに出品もできました。
このサイトの作品ギャラリーにも追って作品追加しなきゃ。