いやー。実はシリコーン型3号は、硬化が早いタイプで作業時間が5分だっけな。そのため急いでかくはんするから気泡が入りやすくまたその気泡を抜く時間がなく、そのため型の表面に超微細な気泡が現れ、結局使い物にならず断念しました。そして今度は速乾性ではない通常の20分作業可、硬化に8時間のタイプで再度作り直しました。しかしこれまた3日かがりです。なにぶん3分割の型で、しかもパーティングラインの際が本当に細心の注意をしてラインを埋めないと、結局その後のレジンにすべて影響してしまうためものすごく神経を使う作業の連続でした。およそ0.2mm単位くらいの精度で型のベースを粘度で作る必要があり、ホントに疲れた。しかしそれでとうとうシリコーン型4号が完成し、かなり良い精度の型にできました。
こうやって、各プロセスの技術やノウハウが蓄積していきながら全体の精度が上がっていくのかな、という感じです。今考えると初期の造形、仕上げ、型どり、注型など、すべてにおいて、精度が上がってきているように思います。場合によるとあまり繊細にしすぎるよりある程度素朴な荒さが残るほうが良いケースもあるけど、そこは作りながら注意してみていこうと思います。
ともあれこれでレジン複製を再開できそうでよかった。私の造形の場合、版画と同じように、原型がオリジナルというよりは注型されたレジン造形物がオリジナルという意識なので、一番はじめのスカルピー造形から始まり、このレジン注型でやっとできあがる、けっこう長い道のりです。ただまだこの注型も簡単ではなく、コンディションの良いアウトプットがどのくらいできるかがここからの難題になりそう。