迷う、迷う、着彩

着彩。迷ってます。一昨日、ターナーのアクリルガッシュで塗ってみたものの、自分としては全く良い感触ではなく、どーしたものかと。しかし、着彩自体には、思ったよりも可能性が感じられたので、ここで断念せず、良い方法を考えたいなと思っています。そこで今度は一度、プラモデル、フィギュア世界の塗装の情報を知ろうと思い、私がレジンやシリコーンの材料を調達する秋葉原のボークスさんへ行き、モデルペインティングのDVDを購入してみました。はやり筆さばきなどは本だとわかりにくので映像でと。
そのDVDはカルビン・タンさんというシンガポールを拠点にしている「世界的なペインター」の方のものでした。私は知らなかったのですが、ペインターという分野があるんですね。塗装の専門分野なんでしょうね。もともと塗装は非常に深い世界なのは聞いているので、ホントはそこに踏み込まず、私の造形は素材色のままでいこうと思っていたのですが、事ここに至っては、とうとう塗装に踏み込むことになりました。このカルビン・タンさんの教材は、プラモデルの塗装を想定したものでした。そして、そこにはまた、なるほど、と思うような方法や技術も出てきていました。


が、しかし、私が迷っているのは、この「プラモデル塗装方向」は基本的にいかにリアルな描写をするか、というアプローチに思えます。そしてその技術はホントにすごいもので、ちょっとやそっとでは習得できないような技術です。そして私がなぜ迷うかと言うと、私は「本物のネコみたいなリアルな再現」をしたいわけではない、ということが大きな問題です。「リアルなネコ」「ネコそっくり」ではなく、私は「ネコの印象と同じ魅力」を作りたい、と考えています。ここはちょっと言葉で話しても難しところなんですが。要は手段としてのリアルはありえるけど、リアルな描写を目的にはしていない、ということですね。
むしろ、理想的なのは、筆致はかなり荒いのに、まさにネコの印象。という感じです。しかしでは、どうすればそれが実現できるのか、まだわかりません。


そこで今、2つの事を考えています。
1つは、まずはプラモデル世界に近い手法を試してみること。もちろんカルビン・タンさんのようにはいきませんが、しかしやってもみないのに断念するのは不本意なので、まずは試みて、やはり自分の造形とは違うと感じたら、その時、断念すればいいかなと。
そしてもう1つは、「印象派」の勉強を改めてすることです。マネやルノワールとかの印象派ですね。簡単な解説本を注文しちゃいました。私は多摩美卒ですが、デザイン科のため、実はお恥ずかしながら西洋美術の知識は体系だった勉強をしていなくて、知識も断片的です。そこで改めて印象派の勉強をしようと考えました。それは、あの筆致です。以前も話しましたが、近くでみるとかなり荒い塗りなのに、離れると、そのモチーフの本質的な印象を表現している、というように私は理解しています。そのことが私のネコの着彩の方向に何か良いヒントがあるようにも思えるので、少し勉強をしようと思います。
実は、遠い昔の私が学生の頃のデザイン界では、 日比野克彦さんなどが活躍した頃でしたが、一方、斉藤雅夫さんなどの スーパーリアルイラストもはやっていました。私はどちらかというとリアルイラストすごいなーって思った方なので、逆に素朴な筆致や、荒い筆致などは、あまり興味がなかったことも印象派から遠かった事の理由かもしれません。

さて印象派は本で勉強ですが、モデルペインティング方向のトライは実技なので、「ファレホ」という塗料というのか絵の具を少し買ってきました。上記の写真がそうです。ファレホはスペイン製のプラモデル塗装用のアクリル絵の具で、世界的に有名なものだそうです。私はボークスさんへ行くようになって知りました。日本のタミヤカラーは有機溶剤のエナメル系塗料に対し、ファレホは水性アクリル塗料です。ちょっと使ってみたいというものあり。これで少し練習してみようと思います。色はミオの色を出せそうなものを買ってきました。