シリコーン分割

猫フィギュア制作でのシリコーン型分割の話です。今回はいつにもまして技術的なお話になります。何度もお話ししていますが、私にとって画期的な方法なため、何度もご紹介します。通常はもともと二分割を想定して、半分づつシリコーン型を作る方法がポピュラーです。私も以前はそうしていました。原型の半分を粘土に埋めて、空いた半面をシリコーンで型どりし、硬化したら逆側の粘土を取り、そこをシリコーンで型取るという方法です。しかしその方法は、粘土で原型の半分を埋める際にパーティングラインを非常に精度良く埋める必要がり、とても神経を使います。しかしそれでも結果的には完全にパーティングラインのない型は、今の私の技術ではできなくて、また半分づつというプロセスも非常にストレスのあるものでした。そこで私は原型を一気にシリコーンで埋めてしまい、後から分割でもパーティングラインはそんなに出ないし、問題も多くはないのではないかと考えていました。そこで、いろいろ調べるうちに、その方法でフィギュアのシリコーン型を作る、著名な作家さんがいることを発見しました。というか、その人の書籍を見ていたら、「後から分割」の方法で作っていたので、その世界の第一人者が採用しているということは「やっぱりできるんだ!」と確信を持ちました。それ以降、私は「もともと二分割」ではなく、「後から二分割」手法でシリコーン型を作っています。
しかしこの方法は技術的な難易度がけっこう高いことに気づきました。それはパーティングラインを作業しながら決めていく必要があることと、あとはシリコーン分割の時に原型をけっこう傷つけるリスクがあることです。しかし、何点が試しているうちにだんだん慣れてきました。そのカッティングのようつが以下です。

この動画は、段取りがわかりやすいように簡単に見せていますが、実は、カッターでは原型の表面まではカットしていません。原型ギリギリのところで止めておいて、後から細く小さい刃物で最後の原型表面に接する、まさにパーティングラインになる部分をカットしています。その様子も機会があればぜひご紹介したいです。
ともあれこの手法をとるようになってから、原型ができてからシリコーン型を作るまでの機動力が抜群に上がりましたし、気持ち的にもどんどん進められるようになりました。