19「何、食べる?」キジトラ版

●全長104mm X 奥幅58mm X 高さ40mmくらい。樹脂製。目はステンレス球。

猫のフィギュア作品「何、食べる?」の着彩バージョンで「キジトラバージョン」です。元の白ボディに対してベースをアクリル絵具、毛並み表現を色鉛筆で着彩しました。「キジトラ」は非常に複雑な色が混ざっていて、何度も試作を繰り返し、ようやく良い仕上がりまでできました。キジトラにも色の種類がありますが今回は、やや暖色系のキジトラです。柄の特徴は比較的はっきりとしたシマ模様。また、足の裏といわゆる肉球は、ほとんどのケースで黒に近い濃茶が多いようです。表面の仕上げはマットのトップコートを施しています。
この新しい「着彩シリーズ」は、今後も他のボディや別の柄も増やしていきたいと思っています。

今回、猫の柄についていろいろ研究してみましたが、その結果、柄ごとにだいたいの模様の規則性があることが改めてわかりました。感覚的には誰でも感じていることですが、キジトラの場合、ひたいには目の上の垂直なラインとおでこ中央にv字になるラインで、合わせてM字っぽくなり、さらに目じりのヨコのラインと、多くの場合、鼻、口まわりは白くなる傾向があり、体の中で最も白い毛が多くなることも多いようです。

キジトラは何しろ非常に複雑な毛の色をしています。一本の毛がシマ状になっているため見る角度でも色が変化する複雑でデリケートな色が、ものすごく表現の難しさでした。さらにキジトラの中でも、かなりサバトラに近いグレーイッシュなタイプもあれば、濃いめの茶トラに近いような暖色系のキジトラもいます。そしてたいていのキジトラは、尻尾の先端は濃い色になることが多いようです。

かなりたくさんの写真資料を見て気づいたのですが、たいていのキジトラは、足の裏の毛の色と、さらにいわゆる肉球と言われる指が、ともに黒に近い濃茶色であることが多いようです。そのため今回はその方向で着彩しました。

毛並みの表現は水彩色鉛筆で描いてゆくのですが、その際も毛の流れに準じて描いていきます。そして何色も重ねることで複雑な色味を出してゆきます。